久しぶりにミャンマー記を書きます。
薄れつつある記憶に、焦りを感じる今日この頃。 休石さん、ミャンマーでいかがお過ごしでしょうか? 最近、自分の旅の日記を読んで、過去の自分の体験から教えてもらう事が沢山ある。 忘れてしまっては勿体ない事が、沢山ある。 何気ない事でも、きっと大事な事だと気づく時がくるはずだから、なるべく沢山書き残しておきたいと、そう思うのです。 ミャンマーの旅で、鮮明に覚えている事の1つに、ヤンゴンのダウンタウンでの路上屋台がある。 ゴミ、汚水、異臭、ホコリ、排気ガス、ねずみ、暑さ。 逃げ出したいくらい汚いダウンタウンの街の路上には、朝の涼しい時間と、日がくれる夕刻から屋台が無数にでるのだ。 惣菜屋台、麺屋台、チャイ屋台、豚の内蔵屋台、インド料理屋、サトウキビジュースの屋台、ざっとこれくらいの種類の店がある。 惣菜屋台が一番多くて、大体の店は、赤と青混じったのカラフルなパラソルを立て、その下にテーブルを置いて、沢山の出来合いのおかずを並べている。 魚、肉、野菜、揚げ物や煮込みなど、おかずの種類はざっと10種類以上はある。 客は、その中から好きなおかずを選び、一品ずつ小さなお皿に入れてもらう。 ご飯は、普通の白いご飯か、フライドライスの二種類があり、好きな方を選んで持ってきてもらう。 フライドライスは、具は無いが、塩味のついた、薄茶色いもので、これがまた美味しかった。 惣菜屋台のメニューで私が一番好きだったのは、トマトサラダだ。 トマトと玉ねぎとキャベツだったかな。それと、豆の粉と特製の油を入れて手で混ぜ合わせる。 レシピを必死に覚えたのに、忘れてしまった。 このトマトサラダは至るところの食堂でも作ってくれて、店によって味が違うのが楽しみだった。 ミャンマー独特なもので、面白いと私が思ったのは、豚の内蔵屋台だ。ありとあらゆる内蔵が串にさしてあり、それをおでんみたいに台と一体化した大きい鍋で煮てあって、お客さんはその台を囲む様に座り、好きな内蔵串をとって、タレにつけてたべる。 これを私も頂いたが、なかなか美味い。 何より、食べ物を無駄にしないところが、内蔵屋台に共感出来るのだ。 内蔵屋台と同じくらい独特なのが、麺屋台だ。 麺と薬味と油をおじさんが手でまぜまぜして出してくれる。頼めば、トッピングで揚げたえびせんみたいなのを入れてくれる。これにライムを絞って頂くのだ。 なんとも言えない独特な味で面白い。 この麺には、魚でダシを取ったスープが付く。魚が煮込まれてぐたぐだに崩れてスープに溶けている。味付け塩だけだが、美味い。スープのお変わりは気軽にできる。 これは、私がミャンマーで初めて食べたものだった。 暑い昼間の路上で何やら皆が食べていたのがこの麺で、腹ペコだった私は、その輪に加わって不思議な麺を頂いたのだった。 基本的に、ミャンマーの料理はスパイスは強くないので、日本人の口に合うと思う。 ミャンマーの食事の特徴と言えば、とにかく油だ。 おかずは大体が油びたしだし、サラダにも辛い油を和えるし、大体のものは油が使われている。 しかし、これが意外とさっぱりと食べられる。 油っこいと感じた事は一度もなかった。 それは、熱いお茶のおかげかもしれない。 ミャンマーでは食事の際、必ず熱いお茶が出てくる。 日本で言う、ほうじ茶みたいなお茶だ。 テーブルにはあらかじめ小さい湯飲みと、お茶が入っているポットやヤカンが用意されている。 注文した料理がくるのを、熱いお茶をすすりながら待つのは楽しかった。 ダウンタウンの路上屋台は、子供用のおままごとセットの様な、プラスチックで出来た小さなテーブルと椅子がずらりと並び、それが客席だった。 小さな椅子に腰を下ろすと、道行く人々の様子が良く見えた。 ロンジーをまとって、みんな大股でさっさと歩くのがミャンマー人の特徴で、アジアにしては珍しく、みんな険しいような、無表情な顔で無言で歩いていく。 ほりが深く、肌は浅黒く、目が大きい。 男性は皆細く、背が高く見えた。 ヤンゴンでの、思いつめたような人々の表情は非常に印象的だったのだが、後から、それは国の混乱により国民の生活が困窮している事による事だと知った。 2007年9月に、市民と僧侶がヤンゴンで反政府デモ起こした。 その取材中に、日本人ジャーナリストがミャンマー軍に射殺された事件は、記憶にも新しい。 聞くところによると、公務員のお給料が上がったからと言う理由で、政府が一方的に物価を上げたらしいのです。 ガソリンは一気に8倍の価格になり、物価も2倍か3倍くらいに上がったのだという。 でも庶民のお給料は上がっていない。 むちゃくちゃ過ぎる。 あのデモの後からミャンマー人の表情が暗いと言うのだ。 あの穏やかな人々が、あの僧侶達がデモを起こしたなんて、私には想像すら出来ない。 彼らは敬虔な仏教徒であり、怒りの感情を出さないと聞く。 そんな彼らがデモに踏み切らざるえなかった状況が、いかに苦しい事であったか、また武力でそれを制圧されたその痛みは、計り知れない。そして、未だ変わらぬ現状への落胆も大きいのかもしれない。 ミャンマーを、ビルマと言える日が早く来る事を、祈るばかりだ。 さて、話は屋台のテーブルに戻る。 小さな椅子に座って、小さなテーブルでご飯とお茶を頂く。 その様子を、どこの店に行っても、そこの店の少年が良く見ていてくれる。 お茶が無くなればすぐに新しいヤカンを運んできてくれる。 困った素振りをすれば、私が望む事を的確に察知して笑顔で対応してくれるのだ。 とにかく、この10歳前後の少年達は、気持ち良くお客をサポートしてくれるのだ。 私にとって、世界一の接客は、ヤンゴンの路上屋台にある。 ある路上ドーナツ屋さんでは、ドーナツを蜜に漬けて食べるのだが、私の片手は荷物でふさがっており、蜜をを持つ事ができなかった。 すると、お店のおばちゃんが私の隣にすわり、蜜が入ったお皿を持って、私が食べ終わるまでずっと、嬉しいそうに蜜を差し出し続けてくれた。 それが、観光客だからなのではなく、きっと誰にもそうなのだ。 1ドルもしない食事で、こんな接客を体験できるミャンマーの路上屋台は、私のオススメだ。 料理の味は残念ながら忘れてしまったのだが、お茶の味と、心温まる接客の事は鮮明に思いだせる。 ヤンゴンの路上で食事をとってる観光客は私達以外にはいなかったと言う事もからして、衛生的には、かなり問題があるのかもしれない。 でも、オススメ。 シャンシャンシャン。と、サトウキビを搾る時のあの鈴の音が、懐かしい。 全てが手動のミャンマーが、懐かしい。 汚いけど、ぴかいち。 (記憶が曖昧になってきているので、内容が実際と少し違ってるかも知れません。あしからず。)
by atsuko-sunaoni
| 2010-07-22 19:49
| ミャンマーでの出会い
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