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ふうか

「この半年を振り返って、
正直言って、もう疲れました。
辛いことも、たくさんありました。」



今日は、遠野まごころネット と言う、災害ボランティア団体の
支援活動報告会に行ってきた。
今週末から1週間ほど東北へ行って、この団体の活動に参加する予定で、

昨日、「明日報告会があるよ」って友達に教えてもらったので行ってきた。

「疲れました」っと言ったのは大槌町で復興活動をしている、地元の青年だった。
あまりに率直な言葉にびっくりしたけれど、
それだけに本音だと分かり、とてもよかった。
「双子の兄が死にまして、小さいころからずっと一緒だったから今でも実感が全然なくて、
結婚も決まってたから本当だったら今頃結婚して、普通に年を越して、、、。
でも、彼は31歳まで生きたんだから
まだましだって言われて、周りには子供も奥さんも無くした友達が何人も居て、、、」
っと言葉に詰まるところもあったけれど、たんたんと話をしてくれた。
何をしたらいいのか全く分からない状況の中で、みんなで何とか助け合ってやってきた。
一人一人はなんも出来ないけど、みんなで力をあわせると、凄い力になった。
っと、この半年を振り返って話をしてくれた。


4時間半ほどあった報告会は、
それぞれのセクションのリーダーやそれぞれの立場の人が、
この半年間の活動内容と、熱い思いをたくさん語ってくれた。

NPO団体でありながら、個をとても大事にしていて、生きた・血の通った組織だと感じた。

最後のディスカッションの時間に、議題にあがったのが
「風化」の問題だった。
いまや被災地とその他の地域の温度差は激しくて、
「命からがら逃げた時の話をしてるのに、笑う人がいるんです。」
っと言って、嘆くリーダーがいた。
「報告会のために東京に来て、ここが本当に同じ日本なのか?っと驚いた。」
っと、東京の感想を述べてくれたリーダーもいた。


マスコミも福島ばかりを取り上げる様になったし、
いまや世間では東北の被災地は風化してしてしまったのではないか?
それが、とても心配なのだと、皆が口々に言った。


私の実感からしても、地震の話は最近ほとんど話題にあがることがなくなってきたと思う。
けど、私は地震の時の恐怖と、その後の津波の映像を見た時の衝撃は多分一生忘れないと思うし、
それに、何か力になりたいって思っている人はまだまだ沢山いるんだと思う。

ただ、どうしていいか分からないだけなのではないかと思う。
ことボランティアに関して言えば、自分でテントかついで行って、風呂にも入れない中で
過酷な環境でボランティア活動をすると言うイメージが強いと思う。

もっともっと、ボランティアがもっと身軽に参加できるって事がわかれば、
沢山の人が興味を持ってくれるのではないかと思う。
マスコミには忘れられたって、私たちが忘れなければいいと思う。

遠野まごころネットは、ボランティアにとって良い環境が整っていて、
無理なく参加できる、数少ない場所だと思う。
私が見聞きした内容をまとめると、こんな感じ。

☆宿泊場所とシャワーが無料で提供される。
☆洗濯機、電子レンジ、給湯器(熱湯)がある。
☆女性専用部屋がある。(和室が女性・体育館が男性。和室が満室の時は女性も体育館の場合もある)
☆被災地へはみんなで車で移動する。
☆各沿岸地域までは車で1時間くらいで、朝に遠野を出発して、作業を終えて夕方にまた遠野に戻る。
☆活動に関しても自分で作業内容を選ぶ事が出来る。
☆力がなくたって出来る仕事もある。
☆近くに飲食店もスーパーもあるから、食事の心配もない。
☆ざっくり言うと、寝袋と作業着だけ持っていけばいい。


まだ行った事のない私が言うのも変だけど(笑)
何度か行っている友達や、ボランティアした方の集まりに行って
その話を聞かせてもらっているので間違いない。


東京からは安い高速バスで行けば交通費が片道5000円くらいなはず。

これだけでも、ボランティアの過酷なイメージが取れるのではないかと思う。
興味があれば、是非調べてみてください。


報告会の最後の、副代表の方の言葉が心に残った。

「いつか、私たちが必要なくなるのが目標です。けど・・・、まだまだなんです。
仮設住宅で、ぼーーっとしてる人がいる。
これからは、目に見えない声を、私たちは聞いていかなきゃならないのです。」

っと言葉に詰まりながら、涙を流しながら話してくれた。


なぜそんな言葉で締めくくることになったのかと言うと、
最後に議題になったのが、
被災された方の自立を、ボランティア団体が支援を続ける事で妨げているのではないかということ。

これは私も気になっていたところであり、
一方的な支援は相手に思わぬ影響をだしてしまうことがあると、そう思っていた。


ただ、あまりにも大きな災害だっただけに、正解なんて存在しないこの問題に、
一方的な支援ではなくて、悩みながら、考えながらちゃんとこの問題に取り組んでいる
姿勢に、とても共感できました。



まだまだ、復興は終わってないんだなと思った。

そして、目に見えない問題と向かい合う、とても難しい段階に入ってきたんだなっと思った。
by atsuko-sunaoni | 2011-09-12 00:15 | 日々のつれづれ
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