ミャンマー記 ゴミの中のダウンタウン

空港からチャータしたバンは、とあるゲストハウスの前に止まった。

そこがバンの運転手と契約してる宿なんだろう。

ガイドブックにも出てる所だし、とりあえず中を見せてもらう事にした。


部屋を見て、愕然とした。光の入らない、刑務所の部屋みたいだ。薄暗く、壁は汚れて、ベッドもなんだか寝たいとは思えない。

それで料金は13ドルくらいだった。

タイで、ネパールで、インドネシアで、マレーシアで、カンボジアで、それだけだしたらホットシャワーにクーラーもついてかなり快適な宿に泊まれる。

と、過去に行ったアジア各国と比較する。

と、そこに泊まるのは馬鹿馬鹿しくなるものである。

当然、その宿はパスである。

重たい荷物を背負い、宿を出る。


ここからが、第一の試練の始まりだった。

風がなく、でもホコリが舞い、排気ガスも充満する灼熱のダウンタウン。

車の上に、干からびたネズミの死体がある。

それだけで、私を凹ませるだけの要素が十分にあった。

そんな街中を、歩けど歩けど宿が見つからない。

街の人に声を掛けても、皆、中級ホテル以下の安宿など知っている気配もない。
客引きも居ない。。

どうなっているんだ、この街は。。暑さと空腹と不安に襲われながら、重たい荷物を背負いさまよい続けた。

しばらく歩いて、やっと客引きらしい男が現れた。


選択肢は無い。彼について行くのみだ。

幸運な事に、彼はちゃんとした客引きだった。

4件近く安宿を見せてくれた。

宿はいずれもビルの三階や四階部分にあり、荷物を背負い階段を昇るのが本当にきつかった。
しかも階段や踊り場は、信じ難いほどに汚い。汚物にまみれていた。


そんな思いをしてまで行く宿も、一軒目と同様に価格に納得がいかない。


最後の一軒を目指して階段を登っていたら、私の中で何かがキレた。

「もう無理!歩けない!」
と、誰にでもなく怒りを吐き出した。


最後の宿は、料金は12ドルと、今までで一番良心的だったので、もう動けなくなった私はその宿で手をうった。

結局、二時間くらいは宿を探して歩いたと思う。

部屋に入る。
まぁまぁ日当たりもある。

窓を開けると異臭がする。
窓の向こうは、おぞましいごみ溜めがあるのだ。

見ない。知らない。ごみ溜めなんてない。と言い聞かす。

シャワーを浴びる。お湯が出ない。

クーラを付ける。
動かない。

窓を開ける。
臭い。

踏んだり蹴ったりだ

ヤンゴンはここ数年、深刻な電力不足で、昼間のクソ暑い時に停電している。

かと言って外に出れば、排気ガスとホコリまみれで、瞬く間に疲れて、全身もホコリまみれだ。
ちなみに、洗濯すると水が真っ黒なる。
本当にキツイ。。


何故停電するのか?
聞いた話しでは、風水好きな大臣が居て、ヤンゴンは風水的に良くないと言う事で、首都を別の土地に移してしまった。
で、電力をそちらに持って行ってしまったので、ヤンゴンは停電になるのだとか。

もう、むちゃくちゃだ。


それでも何とか気を取り直して、街へ繰り出す。


ビルとビルの隙間には、どろどろに溶けて恐ろしい状態と化したごみ溜めがある。

街全体は、ホコリっぽく、建物も道路も茶色に見える。


車が沢山行き交い、人々は暑いと言うのに颯爽と歩いている。ミャンマー人は姿勢が良く、大股でさっさと歩く。

道はガタガタで、足元を見ていないと、今にも転びそうだ。

そんな路上は、庶民の生活の場だ。


ホコリだらけの路上には、夕方になると無数の屋台が出る。

小さい椅子と、小さい机が路にズラリと並ぶ。


食事はその土地の人々と同じ物を食べたい私は、もちろん、路上の店で食事をとる。

沢山のおかずが並ぶ。インドカレーみたいのから、野菜炒めや、魚や肉やら。

その中から好きなおかずを選び、ご飯は炒めたものか、白い飯か選べる。

味は。。

美味しい。

複雑な味が調和して、本当に美味しい。
何より、どこの店でも熱いお茶が飲み放題。

店はだいたい家族で営んでおり、接客は小さい子供が笑顔でこなす。

お茶が無くなれば、言わなくてもすぐに持って来てくれるし、何から何まで、気持ち良く食べられるように細部にまで気をつかってくれる。

どこの店でもそうだった。

ドーナツ屋では、ドーナツに付ける蜜を私が持てないので、食べる私の隣で、嬉しそうに蜜を持ち続けてくれた。


同じ物を食べる。
それは凄く大事な事で、そこから庶民の生活や人を垣間見る事が出来る。

ミャンマー程、それを感じた所はなかった。


ちなみに、他に路上で食事をとるツーリストを見た事は一度もなかった。

衛生面、健康面を考えると、それも正しい判断だと思う。

とにかく、汚いのだから。


何故、ミャンマーの宿代は高いのか?


後で知った事だが、宿代の半分は、税金として国に取られるのだそうです。


宿の人々は、チェックインの際に必ずパスポートをチェックする。台帳には、パスポート番号や期限など、細かい記入をさせられる。

みんな、ちゃんと税金納めてるんだな。

ミャンマー政府は、至る所でツーリストから税金を取ります。

当然だとも思うけど、それが軍事に使われちゃうのかな?

何だかなぁ。
[PR]
by atsuko-sunaoni | 2009-08-22 04:06 | ミャンマーでの出会い
<< ミャンマー記 オーナー夫人と瞑... ひとやすみ >>